【Light PU Leatherシリーズ誕生秘話・後編】
ユーザーの声に耳を傾けて製品開発を進め、ものづくりで業界を盛り上げたい

「軽量」「耐久性」「質感」を重視し、試行錯誤しながら開発を進めた新製品「Light PU Leatherシリーズ」
モニターや展示会を通して、ユーザーからはどのような反応を得られたのでしょうか?
また、今後のシリーズ展開について、マーケティング部の太田に語ってもらいました。

前編はこちらから

 

ユーザーの意見を汲み取りながら発売直前まで商品改良を重ね、ついに完成

ー開発期間中にユーザーによるモニター利用をしてもらったそうですが、反応はいかがでしたか?

太田

素材自体は丈夫で軽いという評価をいただきましたし、デザインや質感に対してもかなり満足いただきました。
ただ使い勝手に関しては、最初は袋の口の部分が柔らかすぎたため、工具の出し入れがしづらいという意見がありましたね。
そこで、全体はしなりが出るように柔らかく仕上げながら、出し入れはしやすいように口の部分に芯材を入れて硬く仕上げました。

ポケットのサイズや形状への要望もありました。
どの職人さんも、このポケットにはこの工具を入れるという、ある程度決まった使い方があるようなんです。
それに合わせてサイズを変えたり、サイズ違いのアイテムを展開したり、ペンチなどが刺さりやすい形状にしながらも抜けやすくはならないように工夫したりと、発売ギリギリまで改良を重ね、ようやく腰袋が完成しました。


デザイナーの太田

ー展示会にも出展されたそうですが、その反響は?

太田

千葉の幕張で開催されたDIYショウですね。
私たちがブースの準備をしている最中に、展示会の施工業者さんが見に来られたのでお話をしていたら、やはり「腰袋って重いんだよね」とおっしゃるので、「試しに着けてみてくだいさいよ」と腰袋を渡すと「お、軽い!」と驚いていました(笑)。
見た目には重厚感があるのでそれほど軽そうに見えないのですが、実際に持ってみると圧倒的な軽さを実感されるようです。

展示会本番では、腰袋とホルダーをセットで使った場合を体感してほしくて、工具をセットして来場者の方々に腰に付けてもらいました。
やはり皆さん口を揃えて「軽い」とおっしゃっていましたね。


JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2022での展示
多くのユーザーに軽さを実感してもらえた


ーデザインでのこだわりは?

太田

主張しすぎないグレーのステッチを入れて、素材の質感を際立たせています。
生地の表面には、あえて目立たない色でKUROKINのマークを型押しし、さりげない上質感を演出しました。
その代わりに、リベットはゴールドで目立たせ、「KUROKIN」の文字を彫り込んでいます。
また、きらりと光るワンポイントを入れたくて、Dカンもゴールドにしました。
実はただの金色ではなく、18金メッキを施して本物にこだわっています。
KUROKINシリーズと合わせて使っていただくと、統一性感が出てかっこよく使っていただけると思いますよ。

Dカン、リベット、ステッチなど細部にまでこだわっている

 

ユーザーとの距離を縮め、製品の改良やアイテム展開へ活かしていく

ーLight PU Leatherシリーズは今後、どのように展開していきますか?

太田

夏に向けて追加アイテムを開発中です。
今後も職人さんの意見を取り入れたいので、SNSなどを通して、このシリーズを使ってみた感想や「こういう機能がほしい」といった要望など、どんなことでもいいのでご意見をお聞かせいただきたいです。
フジ矢は電気工事職人さんとのつながりが深くよくお話を聞いているのですが、他の職人さんの声も聞きたいですね。
職種が変われば使いやすい形も変わるはずですから。
細かなリクエストにも応え、進化させていきたいと思います。

ーユーザーとの距離が近いのですね。

太田

そうですね。
工場見学も実施していますし、SNSでもユーザーさんと直接やりとりをしています。
その際にユーザーさんからよく言われるのが「メーカーに直接意見を言えるとは思っていなかった」という言葉。
これは、メーカーとしての反省点でもあります。
これまでは、どちらかというと営業や代理店さんの意見ばかりを重視して、知らず知らずのうちにユーザさんと距離をとってしまっていた結果「意見を言っても聞いてもらえないだろう」と思わせてしまっていたんです。


第4回ファクトリーツアー
ツアー後にはユーザーさんから製品についての意見を多く頂く

しかし、私たちが開発しているのはユーザーさんが使う道具ですから、ユーザーさんの声こそ聞くべきです。

最近はクロキンシリーズの発売を機にインスタやTwitterにコメントをいただく機会が増えたので、その声を大切にものづくりをするようになりました。
「職人さんにはこんな困りごとがあったんだな」と発見することも多いですね。

ー今後の製品開発の展望は?

太田

KUROKINシリーズやLight PU Leatherシリーズを開発した根底には、職人が活躍するこの業界をもっとカッコよくして「若い人や子供たちが職人に憧れるようにしたい」という想いがあります。
しかしそのためには、製品開発だけではなく、もっと気軽にオープンに、ユーザーとメーカーが意見を交わせる場所を作ることが必要だと考えています。
例えば最近では、電気工事業界特化型メディアの「Amp」との協業で、「スポンサードプロ電工 KUROKIN Master Builder」という制度をスタートしました。
これは、アスリートに対してスポンサーがアイテムを提供するのと同じように、電気工事士にフジ矢のアイテムを提供して活躍してもらう業界初のシステムです。
他にも、工具を介して現場で働く職人さんとメーカーの開発者や製造現場の人が気軽に話ができるアンテナショップやカフェなどを運営できないかとも考えています。
さまざまなアプローチで業界を盛り上げ、プロダクトアウトではなくマーケットインで、職人さんに喜んでもらえるものづくりを続けていきたいと考えています。


Light PU Leatherシリーズはこちらから

Light PU Leatherについてご意見やご要望がございましたら、下記お問い合わせよりぜひ教えてください!
お問い合わせ